2025年11月17日 地域連携月例情報交換会(第6回 がん治療後の在宅での生活について~消化器がんを中心にお話します)のご案内

11月 19, 2025

医師が患者さんのご自宅に滞在できる時間は限られており、日々の生活のあらゆる側面を直接把握し、ケアすることは困難です。
だからこそ、私たちは医師にできることの限界を理解し、その限界を超えるために、地域で在宅生活を支える多様な事業所様との連携が不可欠だと考えています。医師は医療の専門家として、そして他の専門職はそれぞれの領域のプロフェッショナルとして、互いに協力し、情報を密に交換し合うことで、患者さんの「おうちで笑顔が見たい」という願いを、より確かなものにできると信じています。

第6回 がん治療後の在宅での生活について~消化器がんを中心にお話します

 11月は、当院鈴木邦士院長との情報交換会です。都立駒込病院などで十数年、外科・消化器外科専門医として最前線に立ってきた院長は、手術から終末期医療まで幅広く経験してきております。
その豊富な知識と経験をどう退院後の在宅生活に活かしていくか、意見交換したいと思います。
今回のテーマは「がん治療後の在宅の生活について~消化器がんを中心に」患者さまが安心して自宅で過ごすための在宅支援の具体策をお話しした後、情報交換の時間とします。
地域の皆様との連携を深める貴重な機会にしたいと思います。ぜひご参加ください。


<スピーカー>

おうちで笑顔クリニック 鈴木邦士院長
2006年 群馬大学医学部医学科卒業
2012年 都立駒込病院
2024年 おうちで笑顔クリニック
2024年 12月 院長に就任

日本外科学会 外科専門医 日本消化器外科学会 消化器外科専門医 日本食道学会 食道科認定医 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

講習要約

第6回 がん治療後の在宅での生活に関する情報交換会

日時 :2025/11/17 17:15

全体要約

第6回情報交換会では、がん治療(主に食道がん)後の在宅生活、術後症状、再発リスクとその早期発見、在宅終末期医療の課題と多職種連携等について講演と共有が行われた。現場の課題として家族への説明や覚悟の形成、在宅医療のスピード・対応力、治療選択肢や医療連携の重要性について質疑応答が活発に交わされた。次回以降は自己紹介やイベント宣伝の場も設け、よりオープンな交流を目指す。

がん治療の概要と最新事情

  • 主に食道がん治療について鈴木院長が説明
  • 標準治療は「術前化学療法+手術」だが、患者の状態により方法が決まる
  • 術前化学療法(例:DCF療法)は予後延長に有効
  • 食道がんの術後生存率はステージにより大きく異なる(進行例は予後不良)
  • 免疫チェックポイント阻害剤など新薬の最近の進展

術後症状と生活への影響

  • 手術は身体に大きな負担で、食事量減少・嚥下障害・逆流性症状・ダンピング・無精露・呼吸機能低下等が生じやすい
  • 回復へのリハビリ(特に呼吸器リハや食事摂取への段階的対応)が重要
  • 家族への症状変化説明はタイミングや内容の伝達が重要視されている

術後の再発対応とフォローアップ

  • 再発は術後2年以内に80-90%、中央値は約11ヶ月
  • フォローアップ体制(CT検査間隔等)は消化器がん種ごとに異なる
  • 看護師など患者に近い職種が日常の変化に気付くことが早期再発発見につながる
  • 報告のタイミングは早めが重要、気づいた段階で医師へ一報を推奨

在宅医療・終末期ケアの課題と事例共有

  • 在宅医療は患者・家族のQOLと希望を重視
  • 急変時対応のスピード、治療可否の明確化が課題
  • 多職種連携(看護、介護、薬局等)が自宅療養の継続を支えている
  • 終末期での治療・処置選択(CVポート、IVH等)については患者状態・残余人生・治療負担を慎重に判断する必要あり

家族への説明と覚悟形成

  • 医師から事前に想定される症状や終末期変化を家族へ説明することで、覚悟や準備を促す
  • 訪問診療等の際にも家族への対話の時間を大切にしている
  • ご家族が患者の変化に対応できるか(心理的側面)も多職種連携でサポート

病院医療と在宅医療の役割・連携

  • 病院は延命志向、在宅はQOL志向、患者・家族の希望に応じて選択
  • 両者の役割・限界を多職種スタッフで共有し、一番ハッピーな選択を考える姿勢が重要
  • 治療前からの多職種連携導入が今後の課題

情報交換会の今後について

  • 次回(12月)はお墓に関する話題を計画、その後切らないがん治療、口腔ケアなどテーマを予定
  • 自己紹介やイベント宣伝の場を設け、よりオープンな情報交換を推進
  • 医療職同士の形式的な会議よりもザックバランな交流を志向

その他

  • 終了後、参加者間での交流・情報交換の時間も設けます
  • 次回は参加者の積極的な情報提供を歓迎します